まず、難民は難民条約の定義にもある通り、国籍国の外にいる人々を指すため、物理的な国境を越える必要があります。国内避難民の方々も、国境ではなくとも住み慣れた地区から離れ、いくつもの境界を超えて避難してきます。国境を超えてきた人々を、温かい心で迎えられるような社会を目指すというのが1つ目の意味です。現在、ロシアのウクライナ侵攻に伴って、各国がウクライナの人々の受け入れ体制を整え、改めて世界的に難民が注目されるようになりました。日本も、多くのウクライナ避難民を受け入れています。こうした傾向が今後も継続して欲しいという願いを込めました。

　しかし、日本の領内に受け入れたら終わりでは意味がありません。到着した難民の方々を社会の中に受け入れ、共生していく段階までもっていく必要があります。ただ、難民の方々と受け入れる側には、文化や言語の違いから、見えない「心の国境」ができてしまうこともあります。日本に限らず、無知や無関心等から、難民の方々に対する偏見や誤解が生じています。お互いにそのような「心の国境」を越えて理解し合えるようにするためにも、難民の方々に関するより多くの情報をより多くの人々に届けようという決意も込めました。